
ハッカソン/ビジコンでうまいプレゼンを作りたい!
この記事は前回のハッカソンでうまいプレゼンをつくる方法の上級編です。前回は当たり前にしてほしいのに誰も教えてくれないものを理詰めしました。そのために、最初から最後までプレゼンの一貫した流れで書きました。それに対して今回は「ハッカソン」で分かっている人が少数でなおかつ誰も話さなそうなことを話します。(ビジコンの人はみんな知っているかもしれませんが)
この記事を読んている皆さんはきっと上級テクニックを知りたくて見てくる人が多いと思います。基本的に初心者は上級テクニックをまるで魔法のように感じて、そして魔法を持つために上級テクニックを使いたがるものです。僕もそうだったので、問題ありません。しかしいくら初心者が上級テクニックを行おうと思っても魔法のようにはいきません。なかなか難しいですね。そこで、次からの上級テクニックを使う前に皆さんに一番の魔法をお教えしましょう。それは….うまい人のプレゼン資料とプレゼンをまねることです。それが一番楽で最短にうまいプレゼンが作れます。例えば、ハッカソンやビジコンでは、プレゼンのアーカイブが残されていたりします。その中の自分のやりたいプレゼンに合った一番目を引きそうなものや賞をとっていたプレゼンの方法をまねてしまいましょう。それが一番楽で一気によくなる方法です。とりあえず最近見たプレゼンの中でいいものを選びましょう。そしてそれをほとんどまねて練習しましょう。話し方も練習しましょう。そうすれば大体うまいプレゼンができます。さて多分ここまで聞いてきた人の中にはプレゼンをまねるってなんか意にそぐわないな…やりたくないなという人もいるでしょう。周りの目が気になります。でも大丈夫です。誰も気にしません。なぜならあなたはその人ではありません。作るものも違います。話す言葉も違います。構成が似ているだけです。大丈夫です。全然違うプレゼンです。学ぶというのはまねぶことだとよく言われます。うまいプレゼンをまねましょう。基本的にスティーブンジョブズ以外のプレゼンをまねれば大丈夫です。スティーブンジョブズはジョブズにしかできないので考えなくていいです。あれは上級テクニックとかではなくただのジョブズのプレゼンなので(まねて滑ったので…)例えば、スタートアップのプレゼン手法をまねるのは一つの妙案です。ハッカソンでスタートアップのプレゼンが出来る人はまずいません。またはほかですでに実績のあるプレゼンがある人がいればその人に見せてもらうこともいいかもしれません。
結局ハッカソンのプレゼンでもどのプレゼンでもそうですが結局は見せ方です。見せ方の方向性の違いが最終審査まで尾を確実に引きます。そのために必要なことをこれから私がプレゼンしてきます。
ハッカソンのピッチの本質は説得であり相手を納得させることである。
ハッカソンのピッチを作る際にWhy youを語ることがあると思います。ハッカソンのピッチというのは基本的に審査員や見ている人に思いを伝えることが非常に大事です。ハッカソンやビジコンのプレゼントは説得です。相手にどうしてこのプロダクト・プロジェクトがイケているのか、なぜこのプロジェクトは素晴らしいのかそれを説得することです。説得されないプレゼンには価値がありません。そのように相手を「Why」をすべて納得させることが大事なのです。だから、様々なWhyにこたえられる必要があります。 具体的には、「Why you」「Why now」「Why Tech」「Why this」がよく言われますが、僕はさらに「Why this team」「Why design」「Why purpose」「Why this think」「Why vision」について深堀されることが多いと感じています。「Why you」には原体験を「Why now」にはなぜ今なのか?「Why Tech」はなぜその技術なのか?「Why this」はなぜこのプロダクト・プロジェクトなのか>これが大事です。これらの要素に加えて、「Why this team」「Why purpose」はなぜこのチームでやる必要があるのか?そしてなぜこのビジョンを持ったのか?最後に「Why this think」「Why vision」はなぜそう考えたそのような思想を持ってこのプロジェクト・プロダクトを行っているのか?そしてどんなビジョンを持っているのか?ということを考えるが必要です。とにかく考えましょう。ハッカソン/ビジコンのピッチとは相手が納得するようなものを作ることが大事なのです。しかし、それだけでは実は足りません。人は其れだけでは、論理的には納得しても感動はしないのです。そこで次に人はどのように感動させるのかについてお話しましょう。さらにハッカソンでは、「Why this architecture」と「Why this Development method」が大事にもなります。AI時代の開発時代において、どのように開発したのかそしてその開発方法をなぜ選択したのかというのかは考え方を問われていくものになると思います。
人の感動構造
基本的にプレゼントとは、「審査員への説得」です。審査員の立場になって考えると「これはいい」と審査員が思ったときに「理由」を必ずつけなければなりません。理由なき審査は基本的に審査員としての資格を参加者から疑われることになるため基本的に理由なく審査することは決してありません。しかし、審査員も人です。審査員にこれはいいと思わせると基本的に、審査員は感動したところをうまく自分の中で言語化してくれます。すなわち私たちが言わなくても「わかる」こともあります。その時には審査員の独自の口から理由が述べられることでしょう。もちろん審査員を感動させたプロジェクトは基本的に評価に値すべきです。ではその感動とはどこから来るのでしょうか?ハッカソンで自分たちがおもうよいものを作るのは当然のこととしてどう人は感動するのでしょうか?この章では人の感動構造に焦点をあてて話していきます。
まず初めに課題の認識を審査員にさせることです。まずは自分たちが「なにが解きたいのか」を魅せるところからこのプレゼンという物語はスタートします。審査員が「なるほど、これこれが解きたいのか!」「(自分は課題に感じていなけど)課題に感じている人がこれだけいるのか!」みたいな「共感性」と「即時性」の二つが非常に重要です。共感性がないもしくは、課題に納得しない提案(課題感がふわふわしてとらえどころがない)は基本的に評価できません。それどころかそのあとの話がどれだけ面白くても聞いてくれない、そしてそのあとの質疑応答で(あればですが)「で、君らのチームは何を解決したかったんだっけ」と聞かれてしまいます。これは避けたいです。そこで審査員が共感可能なものもしくは、その課題にたいするペインがどれだけ存在しているのか?が明確に見える必要があります。この時使える方法としては、強いペインを裏付ける写真や、一目でわかる写真なければ、数字が欲しいです、数字がなければヒアリングが欲しいですヒアリングがなければ自分が何を課題と感じたかの原体験を書いてください。そしてそれが新規性を訴えることが出来る(新情報の提示)ができると人はより強い当事者意識へ引き込まれます。
次に、解決策とデモです。解決策とデモは基本的にインパクトがあればあるほど良いです。ここにはデザイン性が強く現れます。そのアプリケーションデザインがよいほど「かっこいい・かわいい・シンプルでいい」とか「使いたい・世界観が明確・なにがしたいのかが明確で分かりやすい」という感覚に引き込む直感に訴えるデザインはプレゼンの花形です。さらに機能紹介も「あると便利・ユースケースが明瞭・誰が使うのかが一目でわかる」というように分かりやすさというのは非常に大事なポイントになります。機能やUIは見やすさを重視して「なにが起きているのか?」が一発で分かるようなスライドは非常に直感的デザインとして優秀なものになります。また、非常に根源的なものですが、解決策が課題と向き合い、課題を解決するものになっているかというのは確実に考えたほうが良いです。また、課題を解決するだけでなく価値も与えられるというならばそれは絶対に見せたほうがいいです。ただ課題解決するだけでないという嬉しさがあるのならそれをアプリのデモで伝えましょう!価値の話はトラクションでも重要です。
さて次に、トラクションとWhyです。トラクションというのは、自分の作ったアプリをほかの人に見せに行き、実際に使ってもらうことです。基本的にハッカソンでここまで行ければ普通のハッカソンなら受賞レベルです。しかしここはアドバンスド講座なのでより詳細に書いていきます。トラクションとWhyとは「このアプリは使えるものなの?」「アプリとして、チームとしてどこが頑張ったもしくはすごいの?」というのを「ここがすごいんだ!」とっ審査員を説得する部分になります。課題の共感そして、解決策との一致とデモをみてアプリの良さが分かった審査員は次はどのような価値があるのか?(デモが難しい場合)とどんな技術を使っているのだろう?という問いに対して納得させなければいけません。つまり、トラクションはそれを使うことでその人にどんな課題解決と価値を届けられたのかという審査員の判断基準となります。もしできるならばなにかしらの権威の先生からヒアリングするなどすると効果は高まりますが、普通の人でも十分です。権威の先生だけでなく、普通の人からのヒアリングの方がアプリにとって大事です。さらにWhyは審査員を技術とデザインという面からアプリの納得を演出させます。そのために多くの場合必要なWhyは「Why Tech」「Why design」「Why this」「Why you」「Why now」になります。なぜこのテクノロジーで、なぜこのデザインで、なぜこのアプリでなくてはならず、なぜあなたたちのチームがこれを作らなくてはならず、なぜ今作るべきなのか?というのが必要になります。つまりあなたはこのアプリを作るときにどんなこだわりで作って、そして、どんなバックグラウンドで作ったのか?ということを話、この課題解決策に納得感と説得力を持たす必要があります。これによって審査員に「技術すごい」「よく考えられている」「トラクションが得られている」「バックグラウンドと立場とかやりたいことが明確」といった印象を与えることができます。
そして最後に市場規模や業界の大きな構造的課題解決にもなるのようなVisionを話すと非常に良いです。審査員が帰った時に思い返しやすいのと点をつけるときに、大きなものが頭にあると非常に順当に思えます。これにより、考えの深さというものを感じ取ることが出来ます。以上のような構成により良いものをよりよく見せるということが可能になります。そして、このような構造で作ることでより人を感動させることが出来ます!
では、そこからより深い内容に審査員の頭の中により深い感動を覚えさせるための論理構造はどのようにすればいいでしょう。それが一番疑問を解決してあげることです。
Why you とWhy Tech
Why you とはビジコンなどで基本的によく言われている「なぜあなたがするのか?」「大手企業はなぜできなくて、あなたならできるのか?」ということが問われます。しかし、基本的にハッカソンではWhy youが問われることはビジネス系が入ってくる時に問われることはありません。あるに越したことはないですが、それは本当にアドバンスドな内容です。では、ハッカソンでどのようなことが問われるのか?ビジコンのWhy youと対をなすものそれは、Why Techです。
Why Techは「なぜその技術を使ったのか?」「その技術を使う優位性は何か?」そして何より大事なのが「その技術はどう体験に直結しているのか」が大事です。Why TechはかなりDeep Tech的な技術力が強い人にとってのとても強い武器になります。その技術が使っている理由とその技術が本当に動きでもとして明確な形で見えているとき。人はその技術に対して非常に感銘を受けます。
例えばネットワークレイヤを改善したとしましょう。その時それがただの技術を使ったということではなく、「ネットワークの通信プロトコルを自作したからこそこの低遅延な会話が生まれている」というような技術活用がそのまま体験につながっている感覚を示すことこれがWhy Techです。なぜその技術を使ったのか?それもそれに賭けるだけの価値がある技術なのかどうかという部分が非常に大事です。
プレゼンとは全員に伝えられる唯一の場である
プレゼンというのは全員に自分の考えている世界やそのアプリケーションのすばらしさを伝えることが出来る唯一の場です。ハッカソン中にEXPOなどのアプリケーションを実際に触ってもらうところがあったとしても基本的に触りに来る人はプレゼンで聞いた情報が主です。つまり、全員の共通認識として作っておかないといけない課題感などを伝えることや技術のこだわりなど言いたいことは基本的にすべて言っておきましょう。
EXPOがある場合の見せ方
おそらくEXPOのような展覧会があるようなハッカソンに出場するような方はおそらく相当にいろいろな技術的、問題解決的な思考を持ち合わせている方だと思います。その場合にはしっかり、自分たちがEXPOで話したいもののイントロを見せるようにしましょう。
ハッカソンではやめるべきプレゼン手法
よく言われるプレゼン手法として、あえて穴を残すことで質問を誘導するみたいな方法があるが、視座が違う審査員に対しては基本通用しないので原則やめたほうがいい。なぜなら、自分たちがここは穴だと思っても認識と相手の認識はそろっていないことが多いので使わない方がいい。もしも想定通りの質問がこない場合そこを話せずに終わる可能性がありリスクが高すぎる。一応それへのアンサーとして、質問に対して一つのプレゼンが出来るようにしてその続きとしてこれについても…みたいな感じで話してしまうという最終手段はあります。基本的にプレゼンで話さないことはリスクが高い行為でしかないので、ハッカソンではやめましょう。この方法は、確実にこれを聞かないとだめだよねみたいな感じにしなければならないのでやめましょう。
ハッカソンのプレゼントとはショーである(場所による)
ハッカソンのプレゼンなどで「オーディエンス賞」というものがあります。オーディエンス賞は残念ながらすべての人が「平等に」審査をしているとは考えていはいけません。聴衆にはその個人が好き好みがあり、思惑もあります。しかしながら、どんな所でもオーディエンスから指示されるプレゼンというのは存在します。そこで大事なのは共感性とショーなどのエンタメ性です。「ショービジネス」という言葉に代表されるように「ショー」というのは人の心をつかみます。そのためにはストーリー性と番外戦術というのが大事です。
人の脳というのはナラティブつまりストーリー性を好みます。ストーリーがあるほうが圧倒的に記憶に残りやすい。そして共感性やエンタメ性といった「楽しい」「ワクワクする」といったポジティブな感覚を常に評価する指向性が存在します。つまり、観客に対してその未来を魅せることが出来るのか?その見せ方を常に考える必要があります。そのため、「自信がない言葉」だったり、「確信がそのプレゼンターに存在していない」というピッチはオーディエンスから嫌われる傾向にあります。オーディエンスは「自分が分かりやすくて新しい!」「面白い」と思ったものに強く反応します。もちろんこれは審査員も同様です。
さらに番外戦術というのも大事です。番外戦術には、着る服だったり、言葉の覇気やさらには動きというのもかなり重要なファクターになります。とくに激しい動きや本気度が伝わるプレゼンや狂気の沙汰としか思えないようなことそして、「これはプレゼンなのだろうか?」や実物を持ってきて触らせる。さらに審査員にポスターを渡す、食べ物を出す、全員にゲームをさせる、新しいアイディアのノートをみせる、マラソンランナーのゴールをプレゼン中にやるだったり(もちろんアプリの実例をみせること!!)もやっても大丈夫なのです!つまり、「プレゼンとは何をやってもいい」場所です。そこの判断基準となるのが「伝わるかどうか?」という判断軸になります。その伝わり方がよりよくなるのであれば番外戦術はいくらでも行っても大丈夫です。
そして最後に「弱気なことは話さない」というのが大事です。人というのはたいていの場合強気の人の発言を信じるものです。(もちろん自分が納得しているというのが前提ですが。)ここまでハッカソンをやってきたあなたは素晴らしいアイディアを持っているはずです。それを弱気に「いや~実はこれってたぶん価値ないんですよね~」とか言い出したらどうでしょう?もちろん誠実で素晴らしいかもしれません。しかし誠実であることと人が信じたくなるというのは別です。そもそも信頼を獲得するのに誠実さは非常に重要です。ビジネスでは必須です。しかし、ハッカソンにおいては弱気なプレゼンはプロダクトが弱く見えるだけです。できなかったとしてもできなかったことを隠すのではなく未来への展望に変えましょう。そしてハッカソンで未来を魅せるのです!!これこそハッカソンのプレゼンはショーである所以です。
自信のないプレゼンは基本的に聞かれない。堂々としたプレゼンをするためのヒント
プレゼンを堂々としたプレゼンをするためには、「10回以上プレゼンすること」と「プレゼンに対してできるだけの準備をすること」です。
まず初めに10回以上プレゼンしましょう。プレゼンに対して自信がなくそれを話すのは基本的に10回以上プレゼンしたことがあるでしょうか?一回3分だとしても10回プレゼンしたら30分です。30分プレゼンすることで自分が詰まる箇所や自分が話しにくいこと、さらにプレゼン資料のよくない点を挙げることが出来ます。さらにアドリブを入れる場合には、それだけの余裕が生まれます。さらに審査員の顔だったりを見る余裕が出来ます。
またよくスクリプトは準備するべきかという話がありますが、基本的にうまく自分がしゃべれない可能性が高かったり初心者であることを自覚している場合には必ずスクリプトを作りましょう。最終形を考えながらプレゼンを作ることがとても重要です。
そして当然ですが、プレゼンに対してできるだけの準備をすることについてはかなり重要です。できるだけ自分がよいと思ったものを作ることが自信にそのまま直結します。
テクニックの一つとしては、ハーバード大学の心理学者エイミー・カディがTEDトークで話したようにパワーポーズというものがあります。自信を持ったように大きな身振り手振りを行うと堂々としたプレゼンをすることができる。大きな身振りと手振りは非常に大事です。私も自信のないプレゼンをすると非常にうまくすることが出来ません。そのために堂々としましょう。堂々としたプレゼンは審査員も安心してみることが出来ます。恥ずかしがっているプレゼンは聞かれないですよね。
あとがき
なんかハッカソンの評価基準をハックするみたいな記事だな~と随分偉そうなことを言いましたがこれがすべて出来たら本当に素晴らしいです。筋のいい課題感とワクワクするような解決策には、良いトラクションが必要不可欠です。MVPで止まることのない新しい創造は必ず成果につながります!


