
はじめに
こんにちは。2025アドベントカレンダー12/13担当のタクシーです。
先日、「カービィのエアライダー」というゲームがSwitch2で発売されました。12/8のみつをさんの記事でも取り上げられていますが、すごく面白そう…!私はそもそもSwitch2を持っていないので遊べませんが…(泣)
このディレクタ―である桜井政博さん。ゲーム好きなら知っているであろう桜井さんのYouTubeチャンネル、「桜井政博のゲーム作るには」をご存じでしょうか。このチャンネルは2022/8/24から動画投稿が開始され、ゲーム製作にまつわる、あるいは役立つ動画が上がっています。2024/10/22に最終回が配信され、もう更新は止まっています。最終回の内容で明かされた内容が衝撃的で、SNS等で見たことがある人も多いのではないでしょうか。
私自身、初心者ではありますがゲーム製作を行っており、楽しく拝見させていただきました。チャンネルの内容はゲーム製作に関することが主ですが、実はほかの分野でも役に立つお話をされています。
なんで今?
チャンネルの最終回から1年以上たった今、なんで取り上げてんの?と思う人も多いでしょう。ですが、だからこそ知ってほしいのです!このチャンネルのすばらしさを。特に、数本動画を見たけど全部は見れてない人、私ってゲーム開発してないし…という人。実は別分野においても、役に立つ内容をお話ししている動画も多いのです。1年たってほとぼりが冷めてしまうこの時こそ、このチャンネルのすばらしさを再認識してほしい!
何がすごいの?
ここまですばらしいとしか言っていませんが、具体的に何がすごいのか。素晴らしい点はいくつもあるのですが、特に印象的だった内容が以下の点です。
- 1動画における情報の密度が高い!
- 例示として出されるゲームの種類が豊富!
- 内容がとにかく面白い!
1動画における情報の密度が高い!
このチャンネルでは、コラボや最終回のスペシャル動画やまとめ動画を除いて、256本の動画で構成されています。1つ動画を見てもらえれば分かるのですが、構成がしっかりとしており、スパスパと情報が流れていきます。早すぎない適切なテンポで内容が述べられるので、飽きずに見られます。また、1本の動画の全体時間が非常に短いのも特徴です。このチャンネルで最初に投稿された動画である、「このチャンネルについて」でも述べられているのですが、基本的に1話が2分から5分程度で終わる構成となっています。収益化をせず、完全ボランティアだからこそ成せる業です。
試しに、全動画の動画時間を調査してみました。以下のグラフをご覧ください。

このように3分弱の動画が最も多く、10分を超える動画はほとんどないことが分かります。全体の約85%の動画が5分未満でした。企画コンセプトのジャンルの動画は開発秘話が語られることが主であり、比較的長い時間となっています。ただ、10分を超えた動画であっても内容に目を見張るものが多く、基本的に動画時間を煩わしく感じる瞬間はありません。
ショート動画に慣れてしまった私の脳にとっては、非常にありがたい動画時間です。
もちろん、全部を一気に視聴するのはさすがに骨が折れます。最終回で紹介されていましたが、動画の総時間は19時間13分18秒であるそうです。
しかし1度でも動画を見れば、YouTubeくんがおすすめにあげてくれることでしょう。そのたび見ていれば、全動画を制覇できること間違いなし!
「プレゼンはスピード 【仕事の姿勢】」の動画では、プレゼンはスピードに他ならないと述べられています。動画はプレゼンとは少し異なるかもしれませんが、このような考え方が活きているのだと思います。
例示として出されるゲームの種類が豊富!
動画で述べられた内容を補足するため、実際のゲームを例示として出されることがよくあります。そこで出されるゲームの種類がとにかく多い!桜井さんのディレクター作品が使われるのはもちろん、さまざまな分野のゲーム画面がポンポン出てきます。マリオやゼルダといった任天堂の看板シリーズから、テトリス、マインクラフト、ドラゴンクエストといったもの。私はあまり昔のゲームを知らないのですが、レトロゲームも多数使われています。
特に「自然なチュートリアル 【企画・ゲーム設計】」の動画では、チュートリアルの内容を紹介するためにポンポンいろいろなゲーム画面が出てきます。
しかもこれらのゲーム、桜井さん自ら撮られているようなのです。「桜井政博のゲーム作るには 最終回スペシャル」の18:10~の部分で語られていますが、動画に出ている開発映像、ゲーム画面を収録するお話がでてきます。この量のゲームを持っていることにも驚きですが、それらを適切な場面で使うために膨大な量の収録を行っていて、本当に驚きです。
桜井さんのゲーマー度合いが垣間見えますね…本当にすごい。
内容がとにかくおもしろい!
ここまで、チャンネル自体の特性について話してきました。ここからは、僕が選んだおすすめ動画の紹介です。
リスクとリターン 【ゲーム性】
この動画は、「ゲーム性」ジャンルの最初の動画です。これ以降の動画で語られる、ゲーム性の定義が明確に述べられています。ひとくちに「ゲーム性」といってもそれが何を指しているのかは曖昧になりがちです。ですが、桜井さんは「リスク」と「リターン」という言葉をつかって、ゲーム性を説明しています。スペースインベーダーを例に、非常にわかりやすく説明されているので、ぜひ見てみてください。
物理ボタンに重たさを感じさせる 【仕様】
この動画は、私があまり考えたことのない内容で、非常に印象に残っています。内容を簡単にまとめると、同じボタンであっても、画面上の動作によってプレイヤーが感じる重さが異なる、ということです。コントローラーが単純な入力装置ではなく、ディスプレイからフィードバックを受けるものであるという考え方は、非常に新鮮でした。これは、何かしらの入力装置とそれに伴う出力装置があれば成り立つものだと思うので、ゲーム以外にも応用が利くのかも…
やり過ぎてちょうどよい 【モーション】、スケルトンの限界 【モーション】
これらの動画は、二つとも「モーション」ジャンルのお話です。私は3DCGを勉強したことはほとんどないのですが、確かに参考になるなという内容でした。簡単にいうと、現実的な限界は置いておいて、誇張して動作をさせるべきというお話です。OKと思ったものよりもさらにオーバーに表現するくらいが丁度よい。現実での限界を考えて、丸くおさまったものを作ってしまうというのはありがちだと思います…心にとどめておきたい考え方だと思いました。
おわりに
このチャンネルのすばらしさが伝わりましたでしょうか…この記事では以下の3点を述べてきました。
- 1動画における情報の密度が高い!
- 例示として出されるゲームの種類が豊富!
- 内容がとにかく面白い!
ゲーム開発してないよという人も、このチャンネルの動画で、製作側の景色を垣間見ることができます。「ここのモーションってこんな工夫がありそうだな」とか「この機能はこういうねらいがありそう」といった、別視点でのゲーム体験ができ、新しい楽しさを発見できるのでは…!
ゲームに興味がないよという人は、ぜひ「仕事の姿勢」ジャンルの動画を見てください。ゲーム開発だけではなく、単純に仕事を行う上で重要な要素が述べられています。
上で紹介した動画でも、それ以外でも、ぜひ1本見てみてください!ゲームの面白さが少しだけ、底上げされることでしょう。
アドベントカレンダー2025はまだまだ続きます。ほかの記事もぜひご覧ください。


