1,000 行でつくる OS はじめの一歩

2025-12-09

もう 2025 年の 12 月 9 日か... 大学に入ってから 1 年が飛ぶように過ぎ去っていくことに,モラトリアムの喪失を感じずにはいられないアドベントカレンダー 9 日目担当のピスラです. まだ年越しの準備できてないよ…


私は大学の情報工学科に所属しておりまして,先日コンピュータの OS(オペレーティングシステム)について学ぶ講義がありました. OS の具体例といえば Windows, macOS, Android, iOS が代表ですね.

OS の概要を学ぶだけでなく,応用プログラムからどのように OS の機能へアクセスするかという演習まであり,「OSってこうやって動いていたのか!」と理解が一段深まりました. (今年はコンピュータ実験や OS,機械学習などを学び,今までで一番“情報工学徒っぽさ”を感じられた一年でもありました.)

そんな講義の中で,多くの人が心のどこかでこう思ったはずです. 「OS作ってみてぇ〜〜」 と.もちろん私も例外ではありません.

しかし,自作 OS の世界は一度足を踏み入れると,途端にディープで広大な沼が広がっています.

ネットで軽く調べただけでも『OS自作入門』のような分厚い本がズラリ…… 「本格的にやるぞ!」というギークなら躊躇なく突っ込むのでしょうが,「なんとなく OS 作りたいな〜」レベルのミーハー勢はここで心が折れがちです.(私もそっち側です.はい.)

そんなある日,「もっと手軽に OS 作れないかな〜」という不届きな願望を胸にネットを徘徊していたところ――

ぴったりのサイト を見つけてしまったのです.

OS in 1,000 Lines

なんと たったの 1,000 行未満で OS が作れる と申すではありませんか! 1,000 行なんて朝飯前,piece of cake ということで,早速手を動かしてみました.


このサイトは 『自作OSで学ぶマイクロカーネルの設計と実装』 の補足資料という位置付けであり,一応大学図書館から本書を借りて参照しつつ進めました.

行き詰まったとき,命令の意味を知りたいとき,本書は“辞書”としてとても役に立ちました.(通読はできていません...) ……それでも解決しないエラーは AI の助けを借りながら突破しました.AIしゅごい.

サイトの内容自体は,基本的に文中のコードをコピペしていけば動くようになっているため,初心者でも「とりあえず動かす」ことは十分に可能です. ただし,うまくいかないときのエラー調査はやや難しめ なので,初心者の方は AI を上手く活用すると安心です.

私は OS やアセンブラの講義で基礎が入っていたおかげか,説明されている単語や概念はすんなり理解することができました. 「Hello, world の print の裏側ってこんな仕組みだったの!?」と感動する場面も多かったです.


OS に興味がある方は,1,000 行の世界にぜひ飛び込んでみてください.予想以上に楽しいです. 特に来年,OSの講義を取る方にとっては,予習にも復習にも役立つと思います.おすすめです. 今年は色々と忙しくて,「いつかやりたいことリスト」ばかり増えていった気がしますが... 来年こそは少しずつ消化していきたいですね. そして,そのリストに新たに OS 自作 が追加されたところで,本記事を締めたいと思います.

“What you do today can improve all your tomorrows.” ― Ralph Marston

今年やったほんの些細なことが,来年の私のすべてを少しでも明るくしますように.

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