
こんにちは,博士後期課程(博士課程)に進学して8ヶ月が経過したKateです.
本業の研究活動の今年の総まとめということで,今年参加した学会を振り返ろうと思います.なお,本記事では発表の内容の詳細には触れません(総まとめとは)(学術的な内容を期待した方,ゴメンナサイ).開催地を歩いて感じたことや,空き時間の観光,美味しかった食べ物などに焦点を当てていきます.旅行ブログを読むような感じで,気軽に見ていって頂ければと思います.
はじめに
今年は学会や展示会に,発表・聴講合わせて8回の出張がありました.2月に修士論文を書き上げたことで,発表できる一つの成果として自身の研究がまとまった実感があり,それをまとめて様々な学会で発表したり,そこまでの研究を土台として発展した研究を発表したり,博士前期課程(修士課程)までと比べて,一気に対外的な発表が増えた1年だったなあと思います.
【発表】 3/6-8 情報処理学会 音楽情報科学研究会 SIGMUS @九州大学 大橋キャンパス
音楽情報処理の分野はまだまだ小さく,他の学会だと規模が小さめだったりして少し悲しいのですが,これは音楽関連が集まっていて楽しかったです.太宰府の近くのキャンパスで開催され,宿と会場の間の移動で毎日繁華街を通って,これが夜の博多か〜という気分で眺めていました.
初日が午後から開始だったため前泊が認められず,最終日も新幹線の都合で終了後そのまま帰って来てしまったので,観光などの時間はほとんどありませんでした…
泊まった宿がとてもオシャレだったのと,ごはんが美味しかったのが学会以外の思い出です.プライベートでもこの宿は泊まりたいです.相部屋で泊まった当時M1の彼が,朝5時半くらいからけたたましく鳴り響くアラームをかけて,しかも全然起きずに止めなかったせいで早朝から10分に1回起こされたのは未だに根に持っています.






【発表】 3/18-19 日本音響学会春季大会 @埼玉大学
前の学会から10日空けて次は埼玉に行きました.こちらは前日入りできたので,昼頃の東京に着いて,半日遊ぶことができました.東京に出張で行く機会はとても多かったのですが,今回は初めての築地に行ってみました.東京在住の中学時代の友人と,市場の寿司を食べて,何気に細かく探索したことがなかった東京駅周辺を散歩して,という感じでした.
また,宿の最寄り駅にストリートピアノが設置されており,時間のある時に立ち寄って演奏したりしてきました.雪が降っている日があり,その時にアナ雪を弾くことができたのが個人的なエモいポイントです.
学会では,小学生の頃に遊んでもらっていたことがある,地元の知り合いのオッチャンが勤め先の企業から参加しており,なんとプログラムから僕の名前を見つけて,発表を聞きに来てくれました.すぐにオッチャン→奥様→母親→僕,と連絡が回ってきて,オッチャン夫婦にも両親にも,少しは立派な姿見せることができたかなと思い,懐かしさと誇らしい気持ちになりました(オッチャン夫妻と両親は昔からの友人で,奥様のことも存じ上げています).こんな再会もあるんですねえ.
学会終了後は,東京周辺在住の高校の部活の友達たちと久しぶりに再会し,上野で晩ごはんを食べてきました.





【聴講】 6/13-14 情報処理学会 音学シンポジウム @早稲田大学 西早稲田キャンパス
今回は,主著での発表が無く,聴講という形での参加でした.研究室メンバーの発表1件の共著にはなっていたのでその見守りと,この機会にお話したい方がいたので,頑張って出張申請して行かせてもらいました.
今回は,またまた東京です.宿泊先が池袋で,駅から宿の間に繁華街があり,首から看板を下げたキャバクラやガールズバーなどの客引きがたくさんいたのですが,一店舗だけバックライトポスターを使っていて視認性がずば抜けて高く,技術の正しい応用の仕方に感動しました.他の店舗はただの紙や板で,薄暗い中ではほとんど文字が読めませんでしたが,そこだけはバッチリ読めました.学会でもポスターは全部これにしてほしいです.美味しいものも色々食べましたが,一番は「Fry家」で食べた「極みのささみフライ」でした.これまでの人生で食べたささみの常識がひっくり返る柔らかさと美味しさに感動しました.
1日目終了後は大学の学部時代の友達と,2日目終了後は高校の部活の先輩と晩ごはんに行き,どちらも久しぶりの再会で,時間ギリギリまで話が盛り上がりました.




【運営】 8/2 東海地区音声関連研究室修士論文中間発表会 @名古屋大学
これは他とは異なり,研究発表会の運営をしました.名大で開催なので,出張と呼ぶかは分かりませんが.
普段参加している学会などの裏でどのような苦労があるのかを知る,とても良い機会でした.段取りを組んだり,ポスター発表の配置を考えたり(発表者の中にはコンセントやテーブルの利用を希望する方がいたので,その配置の最適化が難しかったです),懇親会の食事や飲み物を準備したり… 180人分の寿司やオードブル,飲み物を準備する機会はそうそう無いと思います.学生居室がペットボトルの段ボールで埋め尽くされたり,周りの研究室に冷蔵庫を借りて飲み物を冷やしたりした光景は面白かったです.


【出展】 10/14-17 CEATEC @幕張メッセ
日本最大級のエレクトロニクスショーと言われているCEATEC,かれこれ4年連続の参加です.最初の2年は,工学系研究科のプログラムで携わっていたプロジェクトの出展,次の1年は見学,そして今回は,僕は直接関わっていないものの,所属研究室で遂行されていたプロジェクトの成果に関する出展でした.昨年もドクターの学生が説明員に駆り出されていて,今年は僕もドクターになったということで招集されました.
幕張メッセはすぐとなりにアパホテルがあり,毎年お世話になっています.一方で,会場でずっと立っていたり歩いていたりで足が限界を迎えがちで,観光は毎年全然できていません.今年も各日の終了後はクッタクタでした.
15日に移動,16,17日に展示の仕事というスケジュールで,展示期間中は昼は毎年恒例のキッチンカー,夜はみんなで最寄りの海浜幕張駅周辺でご飯を食べていました.キッチンカーでは毎年「肉3倍盛りケバブ」を食べていて,これを食べると「今年もCEATECに来たなあ」という感じがします.最終日は東京駅でラーメンを食べて帰りました.






【発表】 10/22-24 APSIPA ASC @Shangri-la Singapore
初めての海外出張,かつ,主著での査読付き学会(審査のようなものがあり,申し込みとともに提出した論文などによって,発表できるか否かが決まる)でした.Acceptの通知が来た時の喜びは今でもはっきり覚えています.地下鉄での移動中にメールを受け取って,心の中で大きくガッツポーズをしていました.また,同時に参加費の高さに目が飛び出ました.1050シンガポールドル(日本円だと支払い当時のレートで約12.5万円)です.他にも,飛行機代で約10万円,宿泊費とその他移動費などで約5万円がかかりました.これだけの研究費を確保できる仕組みを整えてくれた名大や東海国立大学機構への感謝の気持ちが湧いてきました.
前置きが長くなりましたが,学会期間の話に移ります.旅程は前日夕方に現地に到着,学会終了後も深夜便での帰国だったので,観光する時間はそこそこありました.また,開催地の近くの,Orchard と呼ばれるエリアは名古屋で言うと栄のような雰囲気で,治安も良く,また,日本人観光客もとても多く,とても歩きやすい町でした.料理の面では,シンガポールは多民族国家ゆえか,固有のシンガポール料理というものは少なく,アジア圏の様々な料理を楽しむことができました.一風堂は日本と全く同じ味で感動しました.
時間のあるタイミングで,マーライオンやマリーナベイ・サンズなどのエリアにも足を伸ばし,持ち歩いていたスーツケースの重さに悲鳴を上げながらも,シンガポールを満喫することができました.また,いくつかのMRT(地下鉄のようなもの.普通に地上も走る.)の駅にストリートピアノが設置されており,演奏できて楽しかったです.








学会の会場は Shangri-laという五つ星ホテルで,ホテル内の散策だけでもとても楽しめました.植物園と,滝のある庭がお気に入りです.


シンガポールは海外初心者の僕でも安心して楽しむことができ,プライベートでもまた来たいと感じました.日本との時差が1時間だけな点も初心者向けですね.公共の場での飲食が厳しく取り締まられている点と,東南アジア特有の車の行き交う中を歩かねばならないことには注意しましょう.余談: とある方は会場近くで車に轢かれてホントに大変そうでした.お尻の打撲と肘の擦り剥きだけで済んだのが不幸中の幸いだったようです.
裏企画として勝手に「現地通貨なしで生き抜くチャレンジ」をしていたのですが,見事にカードですべてを生き抜くことができたのも安心ポイントです.
飛行機でのネックピローは人によって賛否が分かれるようですが,僕は持っていって大正解だと思いました.
【出展】 11/4-6 SmartCityExpo World Congress @Fira Barcelona
こちらは本業の研究ではなく,TMI卓越大学院プログラムという,修士-博士の5年一貫の教育プログラムからの出展でした.行きも帰りも韓国で乗り継ぎで1泊したので,11/1に出国,11/9に帰国という日程でした.
初めてのヨーロッパで,気候や文化,建物の違いなどが面白かったです.また,TMIは「移動イノベーション」をテーマに据えており,この出張では「スペインの交通について体験し,調査する」という目的もあったため,地下鉄,鉄道,バス,路面電車,バスなど,様々な交通機関を使って様々な場所に行きました.Holaカードという,公共交通機関乗り放題切符のおかげで便利に移動できたので,バルセロナに行く際は購入をおすすめします.韓国でもV-Passという交通系ICカードを使って,空港と宿の間の移動はもちろん,日本のようにコンビニなどでも利用できて便利でした.
スペインの食事はどれも美味しく,めちゃくちゃ生ハムを堪能しました.韓国は時間がなくてあまり食事を楽しむことができませんでしたが,次回以降の楽しみに取っておきます.








今回は教員3人,学生8人で一棟貸しのゲストハウスに泊まったので,宿泊費を抑えることができました.トラブルも無く,みんな仲良くなれたのでとても満足度が高かったです.唯一,洗濯機が1回に3時間かかるのはキツかったです.宿の近くの公園には,太陽電池で動く防水の電子ピアノがストリートピアノとして設置してあり,常に誰かが絶えず弾いているような盛り上がり具合でした.もちろん僕も何曲か弾かせてもらいました.空港も出発ゲートの中にグランドピアノが設置されており,こちらも楽しむことができました.

実はこの出張は最終日に体調を崩し,咳と鼻水が止まらなくなるというアクシデントに見舞われました.アレルギー性鼻炎との診断で,幸いにも感染性のないものだったので無事に帰国できましたが,1ヶ月経過しても咳が続いており,なかなかしんどい思いをしています.同行メンバーにはとてもお世話になり,とても感謝しています.乾燥した空気や砂ぼこり,路上喫煙あたりが重なったのでしょうか.また,直前のシンガポールからの帰国から1週間というスケジュールで疲れが出たのでしょうか.今後の出張では葛根湯を常備すべし,という学びを得ました.
ちなみに韓国とスペインでも現地通貨を持たずに挑戦してみましたが,仁川国際空港でのV-Passの発行が現金のみだったことで到着後30分で脱落,スペインでは公衆トイレが1ユーロコインで入る形式で2日目で脱落という結果でした.現地通貨はいくらか持っていくべきですね… 貸してくれた同行メンバーには頭が上がりません…
【発表】 12/1-5 日米音響学会ジョイントミーティング @Hilton Hawaiian Village
今年の締めくくりは,なんとハワイです.実はこの記事の執筆は,ハワイでの空き時間や移動時間にちょこちょこ進めていたりします.
ハワイは日本人観光客で溢れていて,そこら辺を歩いていれば日本語での会話が聞こえてくるだけでなく,看板やメニュー表が日本語で書かれていたり,店員さんが日本語で喋ってくれたり,とにかく日本人に合わせた観光地になっている印象です.学会の会場のホテルで道を尋ねようとしてスタッフさんに “Excuse me” と声をかけたら「どうされましたか?」と返ってきてひっくり返りそうになりました.
気候はこの季節でも21〜28℃くらいで,日本の真夏の服装でちょうど良かったのですが,建物内は冷房が効いており,羽織るものがあると安心でした.ただし日差しがとても強いので,日焼け止めやサングラス,帽子は必須級です.
韓国やスペインに続いて,ここでもHOLOカードという交通系ICカードを使いました.The Busという市バスのようなものが1回$3で乗車でき(しかも一定時間内に複数回乗車した場合は,乗り換えとしてカウントされて,2回目以降は無料),1日で最大で$7.5までしか課金されないというとてもお得なものでした.他にもトロリーバスが走っており,中でもアラモアナショッピングセンターという大きなモールを起点としてワイキキビーチを回る Pink Lineというバスは,JCBのカードを提示すると無料で乗ることができて便利でした.始発が朝10時,終発が夜8時くらいと,The Busに比べて運行時間が限られていますが,無料で移動できるのはとてもありがたく,宿泊先と学会会場の往復では何度かお世話になりました.皆さんもJCBカードは持っていきましょう.
空き時間の観光では,ワイキキエリアの散策,ダイヤモンドヘッドの登山,ダウンタウンの散策などを楽しみました.中でも,朝5時すぎに出発して,暗いうちに登ったダイヤモンドヘッドの山頂から見た日の出はとても美しかったです.



ご飯は,ロコモコやポキ,ガーリックシュリンプといったハワイ名物を一通り食べました.アメリカで欠かせないステーキも,学生メンバー全員と教授で楽しんできました.また, Island Vintage Shave Ice というかき氷屋がとても美味しく,2回行ってしまいました.シロップが果物で作られており,氷もシャクシャクして口当たりが良く,人生で一番美味しいかき氷でした.





ハワイに限った話ではないですが,円安の影響と海外の物価の高さの影響で,カード支払いのたびにスマホに届く日本円での決済通知がとても恐ろしかったです.宿泊も,名大の規定の固定支給額と日当を合わせて,3人で相部屋をしてギリギリ収まるくらいでした.食費も平気で1食あたり3000円以上かかり,財布が爆発しそうでした.来月のカードの引き落としが恐ろしいですが,一旦見なかったことにしておきます.プライベートでまた来たいと思いましたが,少しは円高に転じるのを待とうと思います… 次回は真珠湾の戦争関連の博物館や,オアフ島西部,またはハワイ島など別の島にも行ってみたいです.
ちなみにハワイには$60(両替時点のレートで約1万円分)の現金を持っていきました.幼少期の家族旅行で,ホテルでチップが必要だった記憶があったのと,スペインと韓国で痛い目に遭ったので無謀なチャレンジを踏みとどまることができましたが,持っていって正解でした.しかし結果論チップ以外はすべてカードで支払いできたので,そこまで多く持っていく必要は無いかもしれません.個人的にはドルとユーロは,行く機会がそこそこあると思うので持っていても損にはならないのではと思います.
おわりに
大学院に進学して研究成果を出せるようになると,このように国内外の色々なところで発表・交流する機会を頂けます.普段は研究室メンバーとの議論が中心のところ,様々な研究者との議論はとても有意義で勉強になります.学会出張は自身の知見を広げ,様々な土地の風土を肌で感じることができる,研究者としてだけでなく,様々な面での経験をさせてくれます.ぜひ皆さんも博士前期課程,博士後期課程に進学し,ばりばり研究して,どんどん色々な世界を見て回ってはいかがでしょうか? では,メリークリスマス〜!! & 良いお年を〜!!
おまけ:海外旅行Tips
今年の3回の海外出張から学んだ教訓や,持っていって良かったもの/やって良かったことなどです
- 現金は少額で良いから持って行くべし:1人だったらホントに詰んでた…
- スリッパは持っていこう:宿とかも基本土足なので履き替えが楽になります.
- シャンプーやボディーソープは持っていこう:僕は肌が強くないので,いつも自宅で使っているものを無印などで売っているポンプタイプのボトルに詰めて行ったら大正解でした.
- 常備薬は持っていくべし:頭痛薬と整腸薬,ビタミン剤,虫刺されの塗り薬を持っていったのですが,風邪薬も必要だと感じました.
- ワイヤー+カラビナが優秀:Amazonで,両端が直径4cmくらいの輪っかになったワイヤーを数本と,カラビナ10個入りを買って持っていきました.窃盗防止や忘れ物対策になるだけでなく,トイレなどで地面に荷物を置きたくない時などにも活躍してくれました.


